コラム『「不本意」ウェルカム! 勝ち負けより大切なこと』
2024年3月1日掲載
こんにちは、MYスイッチのスイッチラボです。今日から弥生三月。今年は春の便りである「春一番」も早めに届き、いつもより駆け足で春がやってくるかもしれませんね。とはいえ、季節の変わり目は「三寒四温」(寒い日が3日続いたと思ったらその後、暖かい日が4日続く)と言われるほど気温の変化が激しくなる時期です。いつも以上に体調管理に気をつけていきましょう。
さて、春は気温の変化も激しいように、私たちの身の回り(環境)も大きく変わります。よく「春は出会いと別れの季節」と言ったりしますが、卒業、入学、クラス替え、あるいは親御さんの仕事のご都合で、引越し→転校される方もいらっしゃるでしょう。
そんな大きな変化が目の前にある3月は、今までのステージを締めくくるとっても大切な時です。ゲームもステージ終了間際には、強い敵が現れたり、逆に頼もしい助っ人と出会えたりと、なにかにつけ「大きなイベント」が起こりがちです。別の言い方をすれば「勝負の時!」です。
学生さんにとっての「大勝負」といえば、真っ先に思いつくのが「受験」ですね。すでに勝負がついた人もいると思いますが、本番はこれから、という人もたくさんいるでしょう。
そんな大切な時期だからこそ、スイッチラボも大切なテーマを扱おうと思います。今回の研究テーマはズバリ!「うまくいかなかった時、どうする?!」です。
「え〜〜〜、なんでそんな、縁起の悪いことを今言うかな〜〜〜」と思うかもしれませんが、大勝負を体験するこのタイミングで、「願い叶わず」の事態を「想定内」にしておくことが、とってもとっても大切なのです。
まぁ、どれだけ大切なのかは、このコラムを読み進めていくうちに、だんだんわかってくると思いますので、まずはダマまされたと思って(ダマしませんが 笑)先を読み進めてみてください。
さぁ、勝負だ!! 桜は咲くか、それとも散るか?
合格すれば「サクラサク」、不合格なら「サクラチル」。これは大学入試の合否を伝える電報の文面として広がったと言われています。人生の節目となる合否を、ただ「ゴウカク」「フゴウカク」と伝えるより、桜の花に例える日本人の感覚は、本当に素敵ですね。
いつからこう言われるようになったのかは諸説あるようですが、ウィキペディアによると、昭和30年代から平成初期にかけて用いられ、最初に使ったのは、1956年に早稲田大学の合否を知らせる電報だったそうです。
スマホ時代の今、限られた文字数でしかやりとりができなかったなんて、想像しにくいと思いますが、そんな制限の中でも精一杯、思いを伝えようと知恵を絞ってきた先輩たちの偉業を、スイッチラボは心からリスペクトしています。
ちなみに、サクラサクの他には、こんな文面があるそうです。
・東京大学:アカモンヒラク(赤門開く)/イチョウチル(いちょう散る)
・早稲田大学:イナホミノル(稲穂実る)/イナホチル(稲穂散る)
・お茶の水女子大学:オチャカオル(お茶香る)
・東北大学:アオバモユル(青葉萌ゆる)
どれもセンスのある言葉選びがされていますよね。興味のある方は、調べてみてください。
・・・と、面白かったので、話が少し横道に逸れてしまいました。本題に戻ります<(_ _)>
何を「勝負」と思うのか、それは人によっても違いますし、時期によっても変わりますが、受験を筆頭に「勝負の時」は、人生の中でとてもたくさんあります。たとえば期末テスト。これだって日頃の勉強の成果が出せるか、出せないかの大勝負です。そして、スポーツや武道の試合、ピアノやダンスなどの発表会、英語のスピーチ、書道や絵画の展覧会への入選、各種オーデション、あるいは推し活のチケット争奪戦やコンビニのクジだって「勝負」ですし、はたまた勇気を出して、好きな人に告白!も、立派な「勝負」ですよね。
生きていればいろんな勝負時に巡り合い、そしてそこにはドラマが生まれます。勝てばやったー!と嬉しいし、「よくやった、自分!」と、自分で自分を褒めたくなるし、それが自分の自信にもなり、「よし、やるぞ〜!」と、前進するエネルギーにもなりますね。
反対に負ければ悔しいし、悲しいし、凹むし、自信喪失、自分はダメなヤツだ・・・と、クヨクヨしたり、やる気をなくして無気力になったり、「もうどうでもいいや」と投げやりになったり、拗ねて自分のカラに閉じこもろうとする人もいるでしょう。いずれにしても、どよ〜んと暗くてネガティブなイメージですよね。
多分、この文章を読んでいて、皆さんの頭の中でも、勝った方はぱぁ〜〜〜と明るいイメージで、負けた方はどよ〜〜んと暗いイメージが、描かれているのではないでしょうか?
そして、勝った方が「良い」、負けた方が「悪い」というイメージではありませんか?
でも、本当にそうでしょうか?! スイッチラボはそこにスポットを当てて行きたいのです。
「勝ち負け」よりも大切なこと
かくいうスイッチラボのメンバーも、たくさんの勝負をして今まで生きてきました。余裕で勝ったこともあれば、ものの見事に玉砕・大敗。大負け、大泣きしたこともたくさんあります。でも、みんな口を揃えて言うのは、「あの時、負けたから今がある」、もっと言うと「あの時負けてよかった」というのです。
え? 負けてよかったって何? って思いますよね。そんなのラボという狭い範囲だけなんじゃない? と。なので、もっと広く意見を聞いてみようと、調査の幅を周囲の人々にも広げてみると、やっぱり多くのオトナは同じように、負けた、失敗した経験を、愛おしそうに、そして楽しそうに話すのです。
失敗が楽しい? えっ? どういうこと???
この疑問がわいてきたときがチャンスです。スイッチラボと一緒に、考えを深めてきましょう。
なぜ、時が経てば失敗も楽しく語れるようになるのか? それは見える景色が変わってくるからです。
「勝ち負け」はあくまでも「結果」でしかありません。もっというと、その時、その瞬間、そのピンポイントでの結果です。でも、時が経つとわかるのは、結果はどうあれ「挑戦したことがすごい!」ということがわかるのです。
そうなんです。スイッチラボが今回、強くお伝えしたいのは、まさにそこ!
すごいのは「勝った」ことではなく、「挑戦した」ことなのです!!!
怖いけど、不安だけど、いっぱい努力して挑んだ。受験も試合も、告白も、その時はドキドキハラハラ、泣きたくなるくらい緊張したし、緊張しすぎてお腹が痛くなったこともあったかもしれません。そんな思いを乗り越えて、目の前のハードルに挑んだ時点で、すでに「勝者!」なのです。
さらに、勝負ゲートを進んで行けば、勝っても負けてもポイントゲット。しかも勝負にすんなり勝って、あっさり先に進んだ人より、そこで負けた人の方が、多くのご褒美とポイントを得ているのが、この世の中の仕組みであり、不思議なところなのです。
またまたそんな調子のいいことを・・・なんて思うかもしれませんが、具体的に言っていくと
・再び挑戦するチャンスと権利
・なにくそ〜〜、負けてまるものか〜〜というメラメラ燃えるリベンジの炎ゲット
・悲しい、悔しいという負の感情をたっぷり味わえる
・どこがダメだったんだろう?という振り返りのチャンスと権利
・この道でよかったんだっけ?という、そもそもの選択の再考
・世の中、思い通りにばかりいかないなという経験則
・失敗しても死なないことがわかる→打たれ強くなる
もっと掘り下げていくと、さらにいろいろ出てくると思いますが、どれもすんなり先に進めてしまった人たちは、味わいたくても味わえない「特典」ばかりです。
すでに述べたようにオトナたちが「失敗を楽しそうに話す」のは、この負けたことでしか味わえない特典、すなわち「不本意ポイント」にこそ価値があることを、実体験としてわかっているからです。
もちろん、そんなオトナたちだって、うまくいかなかった当時は、悔しいわ、悲しいわ、恥ずかしいわという思いでいっぱいいっぱい。「やった!」「特典ゲット!」なんて考える余裕はなかったはずです。でも、その時得たポイントは、確実にあなたのエネルギー源として、からだのどこか、記憶のどこかにきちんと保管されているのです。そして自分が成長したときに、「いい経験したなぁ〜」と思えるように、時間をかけて熟成していくのでしょう。
ですから、今のいま、わからなくてもピンとこなくても大丈夫。
「うまくいかない」「不本意だ」を体験した時は、なんだか知らないけどチャンスみたい・・・ということだけを、ぼんやりと思っておいていただければうれしいです。
切り替えスイッチの使い方
あ〜〜あ・・・と思う期限を決めよう
負けたことによる特典が、どれだけ価値があるものか、ご理解いただけたでしょうか?
でも、どんなに価値があるものでも、実際に使わなければ宝の持ち腐れです。うまくいかなかった、思い通りの結果にならなくても、「1本の道」があなたの前に開かれたとしたら、もう、その道を進むしかありません。せっかく進むなら、その一歩を堂々と、着実に踏み出さないともったいないですよね。
いつまでも「あっちの道がよかったのに〜」「なんであっちに行けなかたっの〜」「こんな道、行きたくな〜い」と悔やんでも悲しんでも、それは時間とエネルギーのムダ使い。ちゃっちゃと「切り替えスイッチ」をオンにして、気持ちを切り替えて、先に進んでいきましょう。
スイッチの入れ方、何をスイッチにするかは人それぞれなので、自由にやっていただければと思いますが、忘れずにやって欲しいのは次の3つ。
1)頑張った自分を「えらい」と褒める よくがんばった、自分!
2)ダメだったけど、ダメじゃない。今が一番ベストだと思う
3)負けた人にしかもらえない特典ポイントは確かにもらったと信じる
この1・2・3だけしっかり意識していただければ、あとは好きなケーキを食べたり、お買い物したり、お風呂にゆっくり入ったり、いつもの2倍くらいゲームをやったり、たくさん寝たり、たくさん泣いたり、映画を見たり本を読んだり、カラオケでシャウトしたり、自分が「心地よい」と思えることをやってください。そうすることで、自然と切り替えスイッチがオンになり、先へ進もうという気持ちになれると思います。
泣きたいけど、うまくなけない時のラボのおすすめは、あえて悲しい映画を見たり、本を読んだり、漫画を読むことです。上手になけますよ〜(笑) プチ情報としてお伝えしておきますね。
それでもなかなかスイッチがカチッと入らない場合は、無理して入れようとしてはいけません。「ムリとガマンはしない」がお約束です。
ただ、いつまでもうだうだ、ダラダラと後悔し続けても、良いことはひとつもないので、ここはラボ的ご提案。「あ〜あ・・・」とため息をつく、悲しみにくれる時間に期限を決めましょう。たとえば「今日だけ」とか、土日は死んだように寝て、月曜日から復活する!というように。
そして、期限が近づいてきても、気持ちが晴れない場合も、心配いりません。まずはペンと紙を用意します。理想は大きな画用紙ですが、チラシの裏でもノートでも、なんでもかまいません。
そこに思うがまま、わーーーーーっ!と、勢いよく書いていくのです。まさに「殴り書き」ですね。ぐるぐると意味のない線を描いてもいいし、「なんでだーーーっ!」とか「落としやがってぇぇ」とか、今の心境を書いてもいいし、相手の悪口を書いてもOKです。ここは理性や道徳は一瞬、横に置いておいて、思うがまま、自由に自分の中にあるドロドロのものを吐き出すつもりで、書いてください。
しばらくやっていると、「はー、スッキリした」という瞬間を迎えます。そうなったら、まずは大きく深呼吸。はいてぇ〜〜、すってぇ〜〜、はいてぇ〜〜を3回繰り返します。
気持ちが落ち着いたら、書き殴ったモノに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてから、思いっきり紙をくしゃくしゃにして、ビリビリに破いて、ゴミ箱に捨ててしまいましょう。
はい。これで、心のデトックス終了〜〜〜。
こんな簡単なことでも、やるとやらないとでは大違い。知っていて損はないひとつのテクニックですので、モヤモヤしたときに軽い気持ちで試してみてください。
以上。スイッチラボでした。
今回のラボのテーマを一言で表すとしたら、「負けるが勝ち!」という言葉がとてもしっくりきます。ラボメンバーが子供の頃、よくお父さんからこう言われたそうですが、その頃は「負けは負けだろう」「何を変なことを」と思っていたそうです(笑)でも、この逆説的な表現には、とても深い意味が込められているのです。それは「ある時点だけで見たら負けたように見えても、広い視野で全体的に物事を見たら勝利となる」ということ。結局、「どこから物事を見るか」で、受け止め方も意味も違ってくるのですね。ひと時の勝負にこだわって将来大負けするか、それともここは潔く負けを認めて再び作戦を練るかで、今後の展開は大きく変わります。大切なのは「ものの見方」。スイッチラボでは、いろいろな「ものの見方」ができるように、さまざまな角度からの問いかけ、深掘りを続けてまいります。次回は何を深掘りするのか?どうぞお楽しみに。