宝ものは君たちの中にある

コラム『大掃除でいろいろリセット!
スッキリしてお正月を迎えよう』

2023年12月15日掲載

こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。11月からスタートしたこのコラムも、今年最後の更新となりました。ご購読に感謝いたします。

12月も半ばとなり、2023年も残すところあと16日となりました。この頃からサッパリとした気持ちで新年を迎えるために、あちこちで「大掃除」が始まります。

えーー、大掃除? 面倒くさーーい。やりたくなーい。それどころじゃなーい。

・・・そんな声がどこから聞こえてきそうですが、今回のスイッチラボでは、12月13日に全国の神社仏閣を中心に行われた「すすはらい」の行事から、「年末の大掃除」について深掘りしてみたいと思います。「すす」って何なのか? なんで「払う」っていうのか? スイッチラボの大好物がたくさん並んでいます(笑)

「すす払い」って何?

「すす払い」・・・? 初めてこの言葉を聞く人もいると思いますし、「あ、ニュースで見たことある」という方が大半だと思います。そもそも「すすってなんだ?」って感じですよね。

そこで、今注目を集めている生成エーアイの「Chatチャットジーピーティー」に「すす払い」とは何かを聞いてみました。

「すす払い」は、日本の伝統的な建物、特に茅葺き屋根を持つ家屋で行われる掃除行事です。すすと呼ばれる、燃料から発生する黒い粒子や粉塵を除去し、建物を清潔で健康な状態に保つためのものです。屋根や床、天井や壁の煤を取り除き、新しい季節や新年を迎える前に清掃が行われます。伝統的な文化を大切にし、家屋を維持する意味合いがあります。

上記はーChatGPTが出した回答に、スイッチラボが少し手を加えたものです。

早い話が「すす」とは、火が燃えた時に生じる黒い粒子で、イメージとしてはジブリ映画に出てくる「まっくろくろすけ」でしょうか。

昔はエアコンやオイルヒーター、もちろん床暖房などもなかったので、冬の暖房はもっぱら「火」に頼っていました。今時、アウトドアでのバーベギューやキャンプでしか、リアルな火を見たことがない人も増えていますので、室内で火を使うこと自体が「えー、信じられない」と思うかもしれませんね。

でも、電気が一般家庭でも使えるようになったのは、明治時代の終わりから大正時代の初めにかけて。西暦にすると1910〜20年頃なので、結構最近のことなんです。それ以前は家の中心に「いろり」があって、そこに薪で火を燃やして煮炊きをしたり、炭火を利用して「こたつ」や「あんか」で暖まったものでした。時代は変わり、今では博物館でしかお目にかかれなくなったかもしれませんが、日本の大切な原風景のひとつでもあります。

なんで掃除しなくちゃいけないの?

さてさて、現代社会のお家の中では、もちろん「すす」などたまりません。ならば「すす払い」などする必要などないじゃん!と思うのも当然ですが、すす払いの別名は「正月迎え」です。

「すす」のかわりに「チリ」や「ホコリ」はたまりますよね。そして、生活をする以上、いろんな「ゴミ」も出てしまいます。それらをキレイに取り払い、お家をピカピカにして、さっぱりとした気持ちで新年を迎えたい。その想いは今も昔も変わらないと思います。

でも、何かと忙しい現代人。改まって「大掃除」をする時間がないという方が多いと思いますし、時代も住宅事情も著しく変化を遂げた今、昔のように掃除に取り組むなど不可能といっても過言ではないでしょう。

ただ、年末の大掃除(=すす払い)は、古くは奈良時代(8世紀頃)から始まったと言われており、平安時代の書物である「えんしき」には「すす払い」というそのものズバリの言葉が出てくるそうです。

そんないにしえの昔から、なぜ日本人は、毎年年末になるとすすを払ったのか?

形は変わっても、それが今も受け継がれているのはなぜなのか? さらには、すすを掃除して取り除くだけなら「すす取り」や「すす除き」でも良かったはずなのに、なぜ「すす払い」と言ったのか・・・??

その意味を、今改めて皆さんと一緒に考えてみたくなりました。

スイッチラボ的興味は、「掃除をやるかやらないか」ではありません。

昔の人はどんな気持ちで掃除をし、お正月を迎えていたのか、です。そのキーワードとなるのが「払う」という言葉にありそうです。まずはそこから深掘りしていきましょう。

「はらう」という言葉に込められた意味

「払う」というと「お金を払う」という言葉がすぐに浮かび上がりますが、改めてネットで検索したところ、金銭を渡すという意味とは別に、

不要・邪魔なものを、振り動かしたり、はたいたりなどして取り去る

Oxford Languagesの定義·詳細から引用

これにはもちろん「物理的にキレイにする」という意味もありますが、昔の人はもっと情緒的に「厄払い」、つまり「目に見えないイヤなものを全て取り去る、浄化する」という意味で、すす払いを行っていたようです。

「目に見えないもの」と言われた瞬間に、「それってお化け? 幽霊?」という怖い話の方向にいってしまいがちですが、主には「邪気じゃき」と言われる人の気持ち。怒り、悲しみ、嫉妬、諦め、不安などの負の感情のかたまりだと思ってください。

生きていれば、いろんなことが起こります。いいことも悪いことも。その時感じた、モヤモヤ、ドキドキ、ハラハラ、ワクワク・・・そんないろんな気持ちが、壁や天井に粒子となってくっついているというイメージでしょうか。

溜まりに溜まれば、それが鬼になり、悪霊になり、夜な夜な悪さをする・・・と、昔の人は考えたのかもしれませんね。

それを払い、退治するのが、すす払いです。

面白いなと思ったのは、取り除くためには「振り動かしたり、はたいたりなどして」というアクションが必要だというところです。なるほど、だからほうきで天井を掃いたり、はたきで壁や扉のホコリを払ったりするんですね。

前回のコラムでは「不安」について取り上げましたが、人の思いにフタをすることはできません。おうちの中には、家族みんなの「1年分のモヤモヤ」が溜まっている・・・そんなふうに考えると、「あ、掃除しよう!」と前向きに思えてくるのではないでしょうか?

ほうきやはたきがないご家庭も多いと思いますので、今風な道具だと、掃除機やモップ、使い捨てのペーパークリーナーといった道具になると思います。それらを使って、エイやっ!と気合いを入れて、1年間かけてたまったいろんなものを落とす。邪気を払ってクリーンな空間にする。今年は昔から伝わる「すす払い」に込められた思いに共感して、今までとは違う角度で、家中を眺めることから始められてはいかがでしょうか。

掃除と片付けはまったくの別物だった!

クリーンな家にしたい! いろいろリセットしてさっぱりしたい!

でも、ごちゃごちゃしていて、掃除が始められない。大掃除するエネルギーがない! これも現代人にとって、大きな問題だと思います。

掃除が先か、片付けが先か。これって「卵が先か、鶏が先か」くらいの論争に発展するテーマかもしれません。

こういう問題を抱える人が多い原因のひとつは、多くの人が「掃除」と「片付け」一緒のものと考えていることだと思うのですが、スイッチラボ的には「掃除と片付けは別次元!」であると、まずはお伝えしたいのです。

片付けにについては『コラム 片付けられない理由』でも熱く語っていますので、時間がある方はそちらもご一読いただけると、うれしいです。

では、掃除と片付けはどう違うのか? ここでもChatGPTにそれぞれの定義を聞いてみました。

chat GPT

掃除と片付けは異なる行動であり、それぞれ異なる目的を持ちます。

●掃除(Cleaning):

 対象: 表面や空間を清潔にし、汚れやほこりを取り除く。

 目的: 衛生環境の維持や美観の向上。具体的には、拭き掃除、掃除機をかけるなどが含まれる。

●片付け(Tidying):

 対象: 物の配置や整理を行い、スペースを整然とさせる。

 目的: 物の整理や収納により、使いやすく、見栄えの良い状態を作る。物の配置や整理に焦点を当てる。

さすが機械。端的ですね。こうして比べてみると、違いがよくわかりますね。

お正月を迎えるにあたって心がけたいのは、スペースの確保や整頓より、「空間を清潔にする」ということ。

AIには目に見えない「気持ち」までスッキリさせるという効能については予見できなかったようですが(機械ですからね)、空間をキレイにすることで気持ちまでキレイに、スッキリできるのが、「払い」の効力であると、スイッチラボは考えます。

毎日掃除をしていたとしても、壁や天井、本棚の隅々まで掃いたり拭いたりすることはできませんよね。改めてお部屋の中を見回すと、動かしていない場所って結構ありますよね。飾ってあるぬいぐるみだったり、インテリアだったり、壁にかけた写真や絵画だったり。それらに「今までのいろいろ」がねっとり溜まっているとしたら・・・(ひーっ!) 

こうやって考えてくと、いろいろ「払い」たくなってくるのではないでしょうか。

でもここで、再び冒頭の問題が顔を出します。

掃除が先か? 片付けが先か? それが問題だ

実際問題、掃除の大切さはわかっても、ごちゃごちゃしている部屋を目の間にすると、気持ち的に負けてしまう・・・なんてこともよくあることだと思います。

そこでオススメなのが、「まず拭くメソッド」です。

拭き掃除から始めると、わりと小さなエネルギーでも行動に移すことができるんです。

たとえば、「机の上を拭く」という行為。モノがたくさん載っていると拭けないので、否応なしに片付けるハメになります。最初はイヤイヤながらやっていても、だんだんスッキリしてくると、気持ちも一緒にスッキリして、キレイになる(する)のが楽しくなっていくもの。

雑巾、あるいは使い捨てシート1枚から、拭き掃除の威力を、ぜひこの機会に体感してみてくださいね。

ここで一句(笑)

拭けば吹く、新しい風

拭き掃除を始めたことによって、そこに溜まっていたドヨンとした何かが「払われ」て、風が動き出す。風が吹くことで、どんどんその場が浄化され、スッキリしていくのです。

スッキリした。あー、さっぱりした。よかった、これで気持ちよくお正月が迎えられるーーーーこんな気持ちになった瞬間に「カチッ」と入るのが『開運スイッチ』です。

年末にこのスイッチを入れることができたら、もうこっちのもの。

よいこと連鎖が始まって、いい感じで迎えた新年は、良いことがたくさん起こるようになっているのです。

今年もよく頑張ったね。

ありがとう2023年。よろしくね2024年。

あと16日でどこまでリセットできるか、ぜひチャレンジしてみてください。

さぁ、まずは机の上から始めましょう!!

ラボのつぶやき

「いやぁ〜、1年あっという間ですね」「早いですねぇ〜」・・・毎年この時期になると、」こういった言葉があいさつがわりになってきます。「光陰こういんごとし」という言葉があるように、「シュンッ!!」と一瞬で過ぎていくように感じながらも、丁寧に振り返ると、「あんなことも」「こんなことも」いろいろあった一年だと思います。それらはすべて唯一無二。2度と味わえない貴重な体験。同じような毎日だと思っても、まったく同じ状況には決してならないのが宇宙の法則です。1年間無事に過ごせたことに感謝して、ぜひ自分の生活空間を、自分の手で「払って」みてくださいね。机の周り、ベッドの周り、本棚・・・たとえ1つのエリアだけだとしても、確実に空気は変わります。

さーて、スイッチラボの研究部屋も掃除を始めるとしましょうか。この1年、忙しかったので、かなりいろんなモノが溜まっていると思います。どこまでキレにできるか、競争です!! 良い年をお迎えください。