宝ものは君たちの中にある

永遠のテーマ:「なぜ勉強しないといけないの?」を本気で考えてみた

2024年4月1日掲載

こんにちは。MYスイッチのスイッチラボです。

今日から4月! 新生活が始まる記念すべき日です。新しい学校、新しい学年、新しいクラス、そして今日から社会人1年生になる人もいるでしょう。

新しい環境で、新しい一歩を踏み出すことは、ワクワクとドキドキが入り混じり、気分もひときわあがりますよね。春は植物も動物も、すべての生物が成長エネルギーを出して、「もっと伸びよう」「もっと生きよう」とする季節ですから、新しいことに挑戦するのに最適な季節でもあるのです。どんどんチャレンジしていきましょう!

スイッチラボ「春一番のチャレンジ」は、人間にとって永遠のテーマのひとつである「なぜ勉強しないといけないの?」を真剣に考え、深掘りすること! 新年度が始まり

「◯年生になったのだから、もっと勉強をがんばろう!」と、気持ちを新たにしている人がたくさんいる今だからこそ、気合を入れて大きなテーマに取り組みました。

とはいえ、あまりに壮大なテーマなので、とても一度では語りきれないと思いますので、今回は「序章」として「そもそも」の部分から深掘りをはじめたいと思います。

そもそも「勉強」ってなんだろう?

「勉強しなさい」「した方がいい」と言われたことがある人は、とてもたくさんいると思いますが、逆に「勉強しちゃダメ」と言われて育った人に、スイッチラボはまだお目にかかったことがありません。ごくまれに「勉強なんかしなくてもいい」という人もいますが、よくよくを聞いてみると、それは狭い意味での勉強。いうなれば受験やテストのためだけの勉強や、まる暗記のことを指し、人生勉強など広い意味での学びを否定するものではありません。

現代人のほとんどが「しないよりもやった方がいい」と思っているのが、勉強だと思います。そして、まわりのオトナたちに聞いてみると、これまた驚くほど多くの人が「学生のときにもっと勉強しておけばよかった」と答えるのです。ラボの調査によると、なんと社会人の約7割が後悔しているというアンケートデータもありました。

そう考えると、勉強って不思議ですよね。

子供のときにはやりたくないのに、オトナになるとやりたくなる。

勉強が好きな人もいれば、嫌いな人もいる。

勉強を楽しい、面白いと思える人もいれば、つまんない、ツラいと思う人もいる。

この差は一体、どこからくるのでしょう? そもそも「勉強」ってなんなのでしょう? そんな「謎解きスイッチ」がオンになったら、わかりやすいところから攻めていくに限ります。まずは言葉の意味から見直していきましょう。インターネットの辞書サイト「コトバンク」で勉強(べんきょう)の意味を調べてみると、

① 努力をして困難に立ち向かうこと。熱心に物事を行なうこと。励むこと。また、そのさま。

という説明が最初に出てきました。あれ? 私たちが普段イメージする「勉強」とはちょっと違い、とても広い意味で捉えています。なんだか敵に立ち向かう勇者のようで、ちょっとカッコイイですね。そう、みなさんは「勉強ラビリンス」を突き進む「勇者」です。そんなイメージを思い描きながら、続きを読んでいきましょう。

気がすすまないことを、しかたなしにすること

え?! あ、そうきましたか! 確かに勉強って「やりたくないけど、しかたなしにやる」ことも多いですが、まさかそのものズバリの意味を持っているとは、ラボも初めて知りました。実に興味深い! 「勉強」という言葉を意味を知ることが、さらにおもしろくなってきました。

将来のために学問や技術などを学ぶこと。学校の各教科や、珠算・習字などの実用的な知識・技術を習い覚えること。学習。また、社会生活や仕事などで修業や経験を積むこと

おー、ようやく慣れ親しんだ回答が現れました。そうなんです。私たちは「将来のため」に「学ぶ」のです。違う言い方をすれば、今、学んだことが将来の役にたつ、ということですね。また、修行や経験を積むことも勉強です。学生時代はピンとこないかもしれませんが、オトナになると実社会で経験を積む(揉まれるともいいますが)ことが、一番の勉強なのかもしれません。

商品を安く売ること。商品を値引きして売ること。また、比喩的に用いて、大目に見ること。おまけをすること

確かに値引きすることを「勉強する」といいますね。へぇ〜、いろんな意味があるんですね。これこそ「勉強になります!」、ですね(笑)

[引用:コトバンク「勉強」https://kotobank.jp/word/勉強-626150 ]

なぜ勉強しないといけないの?

勉強にはいろんな意味があることがわかったところで、いよいよ本題、「なぜ勉強しないといけないの?」に迫ってみたいと思います。

学校の授業やテスト勉強など、狭い意味で「勉強」をとらえてしまうと、「宿題、やだなー」「面倒くさいなー」「もっとゲームやりたい」「遊びに行きたい」という気持ちになる。とってもよくわかります。だって世の中には勉強よりもっと楽しいことがいっぱいあるし、実際、勉強以外の方がキラキラして見えるものです。

なので、極論から言ってしまうと、したくないならしなくても大丈夫。公立の小学校、中学校では基本的に留年はありませんから、ケースバイケースかとは思いますが、出席日数などの一定の条件を満たせば、勉強をしなくても進級も卒業もさせてくれます。なぜならそれが義務教育だからです。ただし「私立」の学校の場合は、留年も退学もあり得るようですので、注意は必要ですが・・・。

一方、広い意味で勉強をとらえると、実は勉強しないでいる方が難しいと、スイッチラボは思います。めちゃめちゃ大きく言うと「生きる=経験=勉強」ですから、生きているだけでうっかり勉強してしまうというか、勉強から逃れられないといと言っても良いでしょう。1980年代に人気を博した少年漫画「北斗の拳」風に言うと(わからなかったらお父さん、お母さんに聞いてね)、毎日フツーに暮らしているだけで「お前はすでに勉強している」となるのです。ところが、同じような経験をしても、それを「勉強=学び」と思うか、まったく気づかないか、むしろ「つまんねー」とか「くだらない」と思う人もいます。なぜこんなにも反応がバラバラなのかというと、スバリ、その人が持っている「アンテナ」の感度によって、見ている「景色」が違うからなんです。

「知る」ことからすべては始まる

世の中には1ミリの知識がなくても、見た瞬間に「好きスイッチ」がオンになるものがあります。素晴らしい景色、不思議な生き物、かわいい動物、作者が魂を込めた絵や書、仏像、写真などの作品、美しい音楽、血湧き肉踊るリズム、美しい装飾品などなど・・・おいしい、楽しい、美しい!と5感のすべてがフル活動して、「なんかしらんけどすごい!」「よくわからないけど好き」という感覚になるものです。人生の中でこういった問答無用に感動できるものに多く出会えたら幸せですし、これからたくさん出会って欲しいと思います。

一方、それが「いかに素晴らしいもの」なのかを理解するには、ある程度の知識と興味が必要なものもあります。たとえば縄文式土器の破片。歴史も何も知らない人が見れば、ただの「古ぼけた土のかたまり」「壊れた器の破片なんてゴミじゃん」という解釈になると思います。

ところが、歴史や考古学が好きな人、特に縄文時代の日本の暮らしに興味とロマンを感じる人がその破片に出会ったとしたら、先ほどとはまったく違う反応になると思います。

「くぉーーー、これが1万年前に焼かれた土器なのかーーー」「ドキドキするぅ〜(土器だけに)」と言うかどうかはわかりませんが(笑)、とにかくめちゃくちゃ有り難いもの、とんでもなく貴重な宝物ものとして、丁寧に丁重に扱うことでしょう。

片や「ゴミ扱い」、片や「宝物扱い」。なぜこんなにも違う反応、解釈になるのかというと、同じ物を見ているにもかかわらず、「見えている景色」が違うからなんです。そして、その差を作っているのが知的好奇心。見た瞬間に「なんだこれ?」と興味を抱き、「もっともっと知りたい」と思うから、ドキドキもワクワクもするわけです。

そもそも、人は「知らないことには反応できない」という性質を持っています。先ほどの土器でいえば、「破片(ゴミ)」から「縄文式土器の貴重な破片」という認識へと変化を遂げるためには、少なくとも「縄文時代がどんな時代なのか」を知らなければ反応できませんよね。

でも、知ったからといって、興味を持つかはまた別の話。「縄文時代」という時代があることを知っていても、それ以上の興味が湧かなかったら、その先に膨らみはありません。自分の感覚を信じて、ほかに興味を持つものを探すべきです。

ちょっと厄介なのが、知った瞬間に興味がすぐわくものもあれば、ゆっくりじわじわと興味が湧いてくるものもあることです。この時間差攻撃、どのくらいのタイムラグがあるか予測ができず、スイッチラボのメンバーに至っては、知ってから30年後に猛烈に興味が湧いてたまらなくなっている・・・なんてことも実際にあるのです。とはいえ、このタイムラグも「知っていた」から起こること。「知らなかった」ら何も始まりらず、「好きスイッチ」を押すことすらできないのです。つまり勉強というのは、この「知る」をいっぱい体験することなんですね。「知ると出会う」と言ってもいいかもしれません。

「知る」チャンスを逃すな!

「知る」機会はいろんなところに溢れています。学校や塾の授業で先生から教えてもらう、教科書や本に書いてある、偶然見たテレビやネットで知ることもあるでしょう。友達との会話、映画やゲーム、漫画などから知ることもあると思います。

「知らない」から「知る」への変化。これはとてつもない大きな一歩です。知ることで「勉強の扉」が目の前に現れ、ここで第1ステージクリアです。さぁ、次なるステージに進むためには、新たなアイテム、「扉の鍵」が必要です。それを出現させる方法が、「これ、面白そう」と「興味」を持つこと。こうして「もっと知りたい」と思った瞬間に、勉強の扉を開くる「鍵」が手に入り、第2ステージがクリアになります。

ここからは多分加速していくでしょう。鍵を使って扉を開くと、そこは見たことがない景色が広がります。何、これ? もっと知りたい。またひとつ鍵が現れる。新たな扉を開ける。さらに進む。また知らない景色。面白い! もっと知りたい。また新たな鍵が・・・。この繰り返しで、どんどん新しい扉が開き、自分を高みへと連れていってくれるのです。こう考えると「知る」機会を与えてくれる勉強と、仲良くした方が楽しい世界が待っているとも思いませんか? 人生の味方にはなってくれるけれど、決して敵にはならないのが勉強のすごいところ。だから「勉強しない」ということは、たくさんの出会いのチャンスを自分で潰してしまう、めちゃめちゃもったいないことなのです。

どこまで面白がれるか? やってみよう!

ところが、現実の難しいところは、興味を持てないものも「やらなくてはならない」ところですよね。興味がないから、わからなくなるのか? わからないから、興味がなくなるのか? まるで鶏が先か卵が先か?みたいですが、多くの人が「勉強がイヤ」になるのは、この「わからない-興味が持てないループ」が原因なのだと思います。

こうして書いていると、学生時代を思い出し、そのループすら懐かしく思う自分がおりますが、ただループに翻弄されるだけでは面白くない。そこでスイッチラボからの提案です。興味が持てない教科なり課題に出会ったら、「なぜ自分はこれをつまらないと思うのか?」を深掘りしてみるのです! それもめちゃめちゃ深く、細かく。

たとえば、テストが嫌いな人は、点数が取れないからイヤなのか、それとも時間に追われるのがイヤなのか、質問の意味が理解できないからなのか、単に字が汚いからなのか、自分の名前を書くのがイヤなのか・・・などなど、「なんでイヤなのか」を深掘りしてみてください。

とかくイヤだと思っているもの、苦手意識のあるもの、興味のないものは避けて通ろうとしてしまうので、すぐに心のシャッターを下ろしてしまいがち。じっくり見たこともないと思うので、あえて「嫌いなものほどじっくり見る作戦」に出てみるのです。これは2月の節分のコラムの「鬼退治」にも通じる方法で、得体が知れないから不安で怖くなるだけで、正体がわかれば攻略法が自然と見えてくるものなんですね。

単に「テストがイヤ」だったのが「点数が取れないからイヤ」ということがわかったら、ならば「何点とれればOKなの?」「どうすれば点が取れるようになると思う?」と、自分で自分に聞いてみる。そうすることで、新たな気づきや発見があるはずです。

実はこれも「知る」の効果効能のひとつ。嫌いだと思っていたことの中から、意外と「好き」が姿を表すこともあるのです。そこが知ること、もっというと勉強の面白いところ。

そんな新発見・珍発見を、スイッチラボの読者の皆さんには、リアルに体験して欲しい。そう願ってスイッチラボは今日もいろんなテーマをいろんな角度から深堀りしているのです。

ということで、「なぜ勉強しないといけないの?」の第一弾の深掘りは、いったんここ終了します。また違う角度から切り込んでいきますので、どうぞお楽しみに。

ラボのつぶやき

「なぜ勉強をしなければならないのか?」これは時代を超えた永遠のテーマだと思いますが、この問題を真正面から捉え、賛否両論さまざまな波紋を呼んだ「女王の教室」というドラマをご存知でしょうか? 2005年に日テレで放映された天海祐希主演の連続ドラマで、毎回、「この物語は、悪魔のような鬼教師に小学6年の子供たちが戦いを挑んだ1年間記録」というナレーションから始まります。

最終回(第11話)は25%を超える高視聴率を獲得したにも関わらず、地上波では再放送できないと言われているようですが、時代が変わったおかげで、今はネットで配信されているので、この機会にまとめて一気に見てみました。正直かなりヘビーで、この作品を作った方々の勇気とご苦労に改めてリスペクトの意を表します。

今回ラボが注目したのは、最終回の1つ前の回(第10話)でのワンシーンです。

「じゃぁ、どうして勉強しないといけないんですか?」と小6の生徒にストレートに質問され、正面から向き合った鬼教師と言われる先生の答えに、思わずグッときてしまいました。

『勉強は、しなきゃいけないものじゃありません。したいと思うものです。』

さらに、こんな言葉も。

『勉強は、受験のためにするのではありません。立派な大人になるためにするんです。』

実際のシーンは10分ほど続きます。なぜこの質問が生徒から出たのか、先生の全回答はどんなものだったのかは、ドラマを見ていただければと思いますが、この断片の中にも真理があると思えたので、ご紹介させていただきました。ドラマから勉強したスイッチラボでした。