盛岡の夏の風物詩 盛岡さんさ踊り
教室便り 2025年7月15日掲載
はじめまして、MYスイッチの吉川です。
皆さんは、昨年教育出版から発行された小学校4年生の社会の教科書の表紙はご存知でしょうか。
今回の教科書の表紙は、「盛岡さんさ踊り」です。私は岩手県盛岡市出身なので小学校1年生の時から「滝の下伝統さんさ踊り保存会」に所属して、さんさ踊りに携わってきました。この度、社会の教科書の表紙に盛岡さんさ踊りのパレードの写真が採用され、全国的に知名度が上がるのではないかと期待しています。たまたまなのですが、教科書の表紙を飾っている方の多くは「滝の下伝統さんさ踊り保存会」のメンバーだったので誇らしく思っています。
盛岡さんさ踊りは、今年48回目を迎える盛岡の夏の風物詩です。今回は、盛岡さんさ踊りの魅力について紹介させていただきます。
毎年、8月1日から8月4日までさんさ踊りのパレードや地域ごとに根付いた伝統さんさ踊りをメイン会場の中央通、サブ会場の盛岡市民文化センター(マリオス)で楽しむことができます。
盛岡さんさ踊りの起源は、三ツ石伝説に由来しています。その昔、南部藩の盛岡城下に羅刹という鬼が現れ、悪さをして暴れていたそうです。困り果てた城下の人たちは、三ツ石神社の神様に羅刹の退治を祈願しました。
その願いを聞き入れた三ツ石神社の神様は羅刹を捕獲して、二度と悪さをしないよう誓いの証として、境内の大きな三ツ石に羅刹の手形を押させました。三ツ石神社の岩に手形を遺したこと、これが岩手県の県名の由来だとも言われています。
三ツ石神社の神様に退治された羅刹は盛岡城下を去り、平和になったと喜んだ城下の人たちが、鬼の手形を押してある三ツ石のまわりを「さんささんさ」と声に出しながら踊ったことが「さんさ踊り」の起源と言われています。
盛岡さんさ踊りの見どころは、太鼓を叩きながら踊りを踊ることです。全国にあるお祭りの中でも、大人数で太鼓を叩きながら踊るお祭りは珍しく見応えがあります。盛岡さんさ踊りのお祭り期間では、多くの揃いの浴衣をきて和太鼓を持つ人々を見かけます。お祭りの中、鳴り響くさんさ太鼓の音が盛岡の夏を彩ります。
① メイン会場「中央通」
「魅せるさんさ踊りパレード」と「愉しむさんさ輪踊り」が開催されています。
「魅せるさんさ踊りパレード」では、選ばれた伝統さんさ踊り保存会による『パレード前伝統さんさ輪踊り』を披露します。その際は、パレードの先頭が到着するまでの間、3箇所で地域ごとに特徴がある伝統さんさ踊りを楽しむことができます。その後、ミスさんさ踊り・さんさ太鼓連、伝統さんさ踊り団体、一般参加団体(企業、学校、地域)の太鼓・笛・唄・踊り手をはじめ、団体によっては花車も出場する豪華なパレードが行われます。8月1日〜8月3日の各日には、優れたパレードを行った団体は表彰されるので、表彰されることを目指して、各団体は日々練習に励んでいます。また、8月1日~4日の各日には飛び入り参加自由のパレードが開催されているので、興味がある方はぜひご参加ください。
「愉しむさんさ輪踊り」では、パレード終了後には、会場内6か所で、参加自由な輪踊りが行われます。初めてさんさ踊りを踊る人もベテランの「おへれんせ師匠」が丁寧に優しく教えてくれるので、安心です。ぜひ、これを機にさんさ踊り覚えて、踊ってみてください。
さんさ踊りの最終日である8月4日には、各参加団体から集まった太鼓だけの『世界一の太鼓大パレード』を行っています。盛岡さんさ踊りの太鼓は、2014年に「和太鼓の同時演奏記録」世界一に輝いたこともあります。太鼓だけの圧巻のパレードをぜひお楽しみください。また、お祭りの最後には、会場が一体となって踊る大輪踊りが行われます。
② サブ会場「盛岡市民文化ホール」(マリオス)
8月1日~4日の各日『伝統さんさ踊り競演会』を開催しています。涼しい室内でゆったりと2025ミスさんさ踊り・さんさ太鼓連による揃ったさんさ踊りと多くの伝統さんさ踊り保存会による地域のに伝わる特色のある伝統的なさんさ踊りを楽しむことができます。盛岡駅前にある「滝の広場」でもマリオスに出演した伝統さんさ踊り保存会の皆さんの踊りを堪能することができます。
サブ会場の実施時間は、メイン会場の実施前ですので両方楽しむことができます。それぞれに良さがありますので、違いを感じながら盛岡の夏の風物詩であるさんさ踊りの魅力を感じていただきたいです。
ぜひ、機会があれば一度盛岡を訪れ、盛岡さんさ踊りを体感してみてください!